ネコ専務シリーズ
ネコ専務の上司たち
ネコ専務は会社で相当好き勝手にして
いるように見えるが、この会社には
ちゃんと社長も会長もいるのである。

社長は名前を黒根といい、ネコ専務の
実力を認めてうまく使いこなしている
度量の大きいクロネコである。

差別されがちなクロネコの身で、世界一
の会社の社長になったということで、
世界中のクロネコから尊敬を集めている
のであった。

日本ブロックをネコ専務に任せて、世界
中を飛び回っている、忙しいネコである。

会長は創業者の息子で、この会社を世界
規模に大きくしたのは彼である。
今は実務のことは黒根社長に任せて、主
に儀礼的なことを行う。
たいていはロンドンにいて、あちこちの
パーティーに出ているジェントルマンで
ある。

名誉会長もいるのだが、100歳近い
メス猫で、今ではほとんど人前に出て
こない。
この会社は彼女が40代のころに独立
して始めた、小さな商社から始まって
いるのだった。

この3人の下に、副社長が3人いて、
専務が10人いて・・と続くので、ネコ
専務は順番としてはナンバー7か8くら
いなのだが、ネコはあまりそういうこと
は気にしないのである。

というわけで、今日もネコ専務は自分が
まるで社長のような顔をして、会社を
動かしているのであった。

             おしまい

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