ネコ専務シリーズ
ネコ専務はそのあとすぐに、

「えっ、ニャンコロリンって誰だっけ?」

とか言い出したのだが、ネコ博士はここに
突破口があると見て、ダメモトでカッツェ
王宮のニャンコロリン女王に連絡をとった
ところ、何という偶然、女王は一週間後に
公用で東京にやって来るとのことである!

女王はネコ専務のことをいたく心配し、
日本滞在中の忙しい時間を割いて、病院に
見舞いにきてくれることになった。

そして一週間後、フライトの疲れを取る
ため来日初日は何も予定を入れていなかっ
た女王は、成田空港に到着するとそのまま
ネコ専務の病室へやってきた。

その、女王が部屋に入ってきた瞬間である。



「ニャンコロリン女王じゃないですか!」

と、ネコ専務はびっくりした声を上げた。

「私のことが分かるのですか?ネコミミ山
 以来ですね」

と女王が言うと、ネコ専務は、

「分かるって・・当たり前じゃないですか。
 いやあ、お久しぶりです。
 あ、ネコガール、ネコ博士、何をして
 いる、早く女王にお茶でもお出ししない
 か」

とスラスラしゃべり始めたのである。
どうやらネコ専務の記憶は、すっかり元に
戻っているようであった。

それから30分の間、2人は旧交を温め
あったが、ニャンコロリン女王は、
「私が来ただけでネコ専務の記憶が治った」
と、大満足である。

それに対してネコガールとネコ博士の2人
は、

「私たちのことは忘れてたのに、何で女王
 のことは覚えてるんだろ」

と、何だか少々おもしろくなく思ったもの
であった。

              おしまい


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