ネコ専務シリーズ
猫たちの寺
寧功宗の、ネコ住職の寺は「十色寺」
(じゅうしょくじ)というのだが、これは
その名が示すとおり、十の色でカラフルに
彩られている寺である。

ずっと見ていると目が痛くなるくらい鮮や
かな、赤・青・黄・オレンジ・緑・茶・
白・黒・金・銀の十色がピカピカ光って
おり、そのでたらめな色彩の乱舞は、見る
者をいつも喜ばせている。


この派手な寺は、寧功宗でも有数の巨大な
寺で、ネコ住職と、その100人の弟子が
住んでいるのであるが、そればかりでは
なく、さらに四つ足の猫も、やはり100
匹以上一緒に住んでいた。

これは、誰が飼っていた訳でもないのだが、
いつのまにかあちらこちらから四つ足の猫
が集まってきて、我が物顔に住みついた
ものである。

それを寺の側では、

「四つ足の猫さえ、ネコ住職のありがたい
 法話が聞きたいらしい」

と解釈したので、今では「猫の世話」と
いうのは、寺の若い坊主たちにとって、
やりがいのある立派な仕事になっているの
だった。

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