ネコ専務シリーズ
(本当に分かって見てるのかな?)

ネコ専務がその猫をじっと観察していた
とき、食堂のおばちゃんは、

「なみちゃん、ふぅあにカツオ節あげる
 かい?」

と、女子大生にカツオ節を見せた。
なみという名前らしい三毛猫の女の子は、

「あげる、あげる、おばちゃん、
 ありがと~」

と席から立ち上がり、カツオ節を受け
取った。

ネコ専務は、女子大生が猫にカツオ節を
あげているのを見て、

「随分なついているんですね」

と声をかける。

「そうなんです、うちら、めっちゃ仲良し
 なんです!」

となみは言い、ふぅあというらしい猫は
ぶんぶんしっぽを振った。

なみはそれを見てうれしそうだが、初めて
はっきり見たふぅあの顔は、目つきは険し
く、眉間にはしわがビシッと入っている。

ネコ専務は、この猫が女の子に本当になつ
いているのか心配になった。
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