ネコ専務シリーズ
なみは、レポートの作成なのだろう、パソ
コンを打つのに忙しく、カツオ節をふぅあ
にやると、すぐに席に戻った。

ネコ専務は、あと40分間、テレビを見て
すごすことにした。

ふぅあがテレビを見ていると言っても、
どうせ四つ足の猫のこと、芸能人が別れた
だのくっついただの、グルメがどうだのを
見たって、頭には入っていまいという思い
があったので、ネコ専務は、チャンネルを
変えようと、テーブルの上のリモコンに
手を伸ばした。


そのとき!ふぅあは急に毛を逆立て、威嚇
のうなり声を上げた!

しかしその声は、鼻が詰まったような
「フゥアー、フゥアー」という間抜けな
もので、ネコ専務は、あ、これが名前の
由来かと直感した。

「ふぅあ、テレビ、見したげてよ。
 お客さんだから」

なみは席に座ったまま、そう言ってくれた
が、ふぅあは頑としてリモコンの前を離れ
ない。

ネコ専務は腹が立ってきた。たしかに先に
テレビを見ていたのはふぅあだが、
四つ足がグルメ情報に何の用があるんだよ、
と思うと、譲ってやる気にもなれない。
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