ネコ専務シリーズ
ふぅあの威嚇が収まった頃を見計らって、
ネコ専務は再びリモコンに手を伸ばした。

が、ふぅあはやはり毛を逆立てて、
フゥアー、フゥアーと、聞いている方の
力ががくっと抜けるような声を出す。

その威嚇はぜんぜん恐くはなかったが、
ネコ専務はあきらめた。
「いーや、もう」とネコ専務と女子大生は
苦笑を交わし、食堂のおばちゃんは、
ちょっと早いけど作りますよ、と言って
くれて、ネコ専務は味噌ラーメンをちゅる
ちゅる食べた。

10時55分。ネコ専務は、

「ごちそうさま。学生さん、レポートがん
 ばってね。ふぅあ、テレビを見るときは
 もうちょっと離れて見なよ。
 あ、食器、ここに返しておけばいいです
 ね?」

とラーメン鉢を返却すると、

「さぁーて、ちょっと大阪をぶらぶらして 
 から帰るかなー」

と呟いて、手を振るなみに手を振り返し
ながら、食堂を後にしたのだった。

             おしまい


(ふぅあ、なみ、食堂のおばちゃんは、
 他作家ふぅあ&なみさんの作品
 「大学ねこ・ふぅあ物語」の
 キャラクターです)
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