ネコ専務シリーズ
ネコ社長とエスパー猫
ネコ専務がネコ社長になってから、4年
経ったころのこと。

ネコ社長は最大野党の「地球党」から、
今度の衆院選にわが党の候補として出な
いかという働きかけを受けていた。

ネコ社長はそれなりに政治に関心があっ
たのだが、うーん、どうしようかな、と
かなり迷いながら、この数日間をぼん
やりとして過ごしていたのだ。


そうした日曜日の、お昼頃のことである。

その日、新宿の大通りをひとりで歩いて
いたネコ社長は、人波のなかで、一目で
自分の心をとらえたひとりのスコティッ
シュ・フォールドとすれ違った。

ネコ社長は「あっ!」と叫んで、慌てて
その青年のあとを追い、前に回って、
こう声をかけた。

「失礼ですが、あなたは神ではありま
 せんか?」
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