ネコ専務シリーズ
1週間後、ネコ専務は女と会社の近くの
喫茶店「ヒルネス」で会い、調査の結果
を伝えた。

「あ母さん、お喜び下さい!
 ネコヤクザは何と、本当に南米で石油
 を掘り当てることに成功して、今では
 現地で大金持ちの「ネコセレブ」と
 呼ばれているそうで、私は彼と、
 あなたと息子さんのことについて話し 
 合ったのですが、彼はあなたのことは
 ちゃんと覚えていました。

 それで、慰謝料と養育費については、
 必要なだけたっぷり払うとのことです。
 ただ、彼はすでに現地で結婚している
 ので、あなたを呼び寄せることはでき
 ないとのことですが・・」

「そうですか。分かりました。私は養育
 費さえ頂ければ充分です。
 ネコ専務さん、どうもありがとうござ
 いました!」

女は何度も礼を言って、すでにネコ専務
あてに振り込まれていた大金をもって、
納得した顔で帰って行った。
それを見送りながらネコ専務は、

「なかなか美猫のお母さんなのに、ネコ
 ヤクザももったいないことをするなあ」

と思ったが、まあ、みんなが納得する
解決の仕方でよかったよと、ホッと
一安心したのであった。

             おしまい
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