ネコ専務シリーズ
「ネコ娯楽大臣君、水谷ねむ君、
 君たちのどちらかに首相になって
 もらいたい」

そのときの地球党の党首は、イタリア人
と日本人のハーフの野口マリオで、
「ノロマリオ」という愛称で親しまれて
いた陽気なペルシャ猫であったが、夢に
まで見た首相の椅子を目前にして、残念
ながら肝臓に異常が見つかってしまった。
(彼は大酒飲みであった)

当時、地球党は彼と、幹事長の水谷ねむ
(女性)、そしてネコ娯楽大臣の3巨頭
体制であったので、マリオは悔しがり
ながらも、残りの2人のどちらかを首相
にしようとしたのだ。

しかし水谷ねむ幹事長は、

「首相には私より、先の参院選と今回の
 衆院選で、超人的な大活躍をされた、
 ネコ娯楽大臣の方がふさわしいと
 思います」

と言って、意外にもあっさり、ネコ娯楽
大臣を首相に推薦した。

そこには、まず他人にこの困難な仕事を
引き受けさせて、自分は次の首相を狙お
うという計算も働いたに違いないが、
ネコ娯楽大臣にとっては願ったり叶った
りの展開である。


こうして、ネコ専務は政治家になって
からわずか数年しか経たないうちに、
見事、日本国のトップの座を射止める
ことができたのであった。

             おしまい

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