ネコ専務シリーズ
「次にですね、主人公が道を歩いている
 と、おとなしそうな高校生が不良に
 カツアゲされているとしますよ?
 
 高校生はタトゥーをバリバリに入れて、
 ネックレスやら指輪やらをちゃらちゃ
 ら付けた、5人もの強そうな不良に
 取り囲まれていました。

 主人公は高校生を助けようと割って
 入るのですが、不良たちは主人公の
 情理を尽くした説得をどうしても聞こ
 うとせず、この野郎、るせえんだよと
 主人公に襲い掛かってくる始末です。

 ところがですね、主人公の手には何故
 かたまたま、金属バットがあるのです
 が、仏教は暴力を戒めていますので、
 ここは、主人公が不良たちの注意を
 引きつけておいて、カツアゲされて
 いた高校生を逃がす、それで自分は
 無抵抗になって、不良たちにボコボコ
 に殴られてやる、どうですか、こう
 すれば、悟りには近づきますよね?」

 
ふむふむ、そんなものかも知れない。
ところが、ネコ住職は静かに首をヨコに
振った。名僧は言った。
< 245 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop