ネコ専務シリーズ
厳寒の夕刻、カッツェ国内にひとつしか
ない国際空港に降り立ったネコ社長の
一行は、出迎えに来ていた女王・ニャン
コロリン2世たちの温かい歓迎を受けた。

女王とネコ社長の2人は、王室所有の
高級車「ネコロンダル」に同乗し、さっ
そく王宮へと向かう。

2人はネコ社長が一時記憶喪失になった
ときに会って以来だから、数年ぶりの
再会である。


「ネコ社長、お久しぶりですね。
 今更ですけど、社長就任、おめでとう
 ございます」

「ありがとうございます。女王におかれ
 ましては、また一段とお美しくなられ
 て。またお会いできましたことは、
 私にとってこの上ない喜びでござい
 ますよ」


ネコ社長は何やらまたまた調子のいい
ことを言っている。

どういうわけかネコ社長は、ニャンコロ
リン女王を相手にすると、やたら調子の
いいセリフがポンポン出てくるよう
なのだ。

また、それを聞く方の女王も、ネコ社長
を何年も前から好いている身としては、
社交辞令に近いものと分かってはいても
当然うれしいので、

2人はその後、王宮に着くまでの30分
間を、車内で楽しくおしゃべりして過ご
したのであった。
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