ネコ専務シリーズ
ネコ専務の格闘技
ネコ専務はふと思い立って、格闘技を
習うことにした。
しかしネコ専務は争い事の嫌いなネコ
なので、格闘技といっても、健康のため
にスポーツとしてやるのだった。

ネコ専務はネコ格闘技の道場に行き、
入門申込書を書いて、早速練習を始めた。
ネコ師範代は言った。

「これが「ネコパンチ」だ。やってみな
 さい」

ネコ専務はその日からネコパンチを練習
し、だんだんと上達した。

ネコならみんなネコパンチができると
思われているが、それは外国人が、日本
人ならみんな空手や柔道ができると思う
のと同じで、誤解である。

ネコパンチはがんばって練習しないと
できない、高度な技なのであった。

ネコ専務のネコパンチがまあまあサマに
なってきたころ、ネコ師範代は言った。

「これが「ネコキック」だ。やってみな
 さい」

ネコ専務はネコキックを練習し、これも
少しずつ上手くなっていった。
しばらくすると、継続は力なりで、ネコ
専務は基本からしっかりやっているうち
に、実はかなり強くなっていたので
あった。
ネコ師範代はこう提案した。

「1ヵ月後に地区の大会があるんだが、
 出てみないか?」

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