ネコ専務シリーズ
「気を抜くなよ、ネコガール!右や左
 ばかりじゃない、真上にまで気をつけ
 ておかないと、奴はどこから来るか
 分からんぞ!」

「はい、ネコ専務」

ネコガールは神経を張り詰めて銃を構え
直したが、そのとき!ネコ専務たちの
目の前の土がぐぐっと盛り上がり、全身
金色の怪物が、金属的な叫び声を発しな
がら2人に襲い掛かってきた!

しかし、ネコ専務はそれさえも予測して
いたのである。
ネコ専務は全くあわてることなく銃を
2発発射し、それをまともに受けた黄金
の都の守護者は、後方に激しく吹っ飛ん
でいった。


ジリリリン!
突然鳴り響いたベルの音に、ネコ専務は
読んでいた本のページから目を離し、

「なんだよ、いいところなのに・・」

とブツブツ言いながら、受話器を取った。


「あ、兄さんか?どう、読んでる?」

電話はネコ博士からであった。

「今ちょうどいいところだったんだよ。
 今回のは面白いなあ、ネコ専務も
 かっこいいしね。
 さっきネコ専務が、土の中から飛び
 出してきた都の守護者を銃で吹っ飛ば
 したところさ」

「なんだ、まだそこか。実はそのあと
 ねえ・・」

「あ、ダメだよ!続きを言われたらつま
 らないじゃないか!
 もう切るよ、私は忙しいんだ」

「あっ、兄さん、ちょっと待っ」


ガチャ。ツーツーツー。
ネコ専務は作者からの電話をさっさと
切ってしまった。
そして、ネコ専務はそれっとばかりに、
大急ぎで「ネコ専務と神々の都(下)」
の続きにとりかかったのであった。

             おしまい
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