ネコ専務シリーズ
「ミャーメイドさん、虎魚を許してくれ
 とは言わない。
 しかし虎魚の全員が戦いが好きなわけ
 ではないし、好戦的すぎる、今の村の
 ボスをよしとしているわけではないの
 は知っておいてほしい」


あの戦争から1ヶ月、虎魚は新しい村を
作り、同時に、猫魚との再戦に向けて
軍備を整えつつあった。

そんな中、うまくミャーメイドの世話係
になったプトランは、真心をこめてミャ
ーメイドに接しているうちに、だいぶ
彼女の信頼を得るようになってきていた。

しかしミャーメイドは、さきほどのプト
ランの言葉に、

「プトランさんが優しくて賢明な方だと
 いうことは私にも分かります。
 でもプトランさんは例外です。
 虎魚という種族は、私たち猫魚に比べ
 ると、あまりにも荒々しすぎるのです
 よ」

と言うのみであった。

プトランはそれを聞いて引き下がったが、
それはミャーメイドの意見に同意した
からではなかった。

というのは、戦争の再開を嫌がる虎魚は、
女性を中心に意外と多く、いまプトラン
はそういう反戦派を密かにまとめあげて、
戦争を止めようとしていたからだ。

だからプトランは、ミャーメイドには、
一言だけ言っておいた。

「ミャーメイドさん、僕を信用していて
 くれ。なんとか悪いようにならない
 ようにするよ」
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