初恋
給食の時間になり、みんなが席につき始める



「給食あんまり美味しくないけど、しっかり食えよ(笑)」


ばいばい先輩は私の頭を2、3回ポンポンとしてから階段を降りていった



1年生は3階で、3年生は2階だったから、先輩はいつも無駄に階段を上がって教室前まで送ってくれた



自分の席に座り、机の上に置かれている給食たちを無視して本を広げた



「給食食べないの?」



みんなが騒ぎながら給食を貪る中、同じグループの黒中愛羅が話しかけてきた



給食の時はグループで机を合わせて食べる為、隣りになる黒中を無視する事は出来なかった



「食欲なくて…」



「しっかり食べなきゃダメだよ!」



黒中は皆より少し大きいから、これくらいの量簡単なんだろうな



「うん。ありがとう」



「ねぇねぇ、愛羅2学期にお手紙渡したの覚えてる?」



白ご飯をかき込みながら喋っている



「覚えてるよ」



「ずっと喋りかけようとしてたの!でね、今日から移動教室一緒に行かない?」




「いや、でも申し訳ないし…」




目の前の私にとっては多過ぎる給食を見ながら答えた



「私の友達も良いって言ってるしさ!5時間目行こうよ、」



また省かれるのかな



その心配よりも、1人から抜け出せるかも という期待が勝ち、



「ありがとう」



久し振りにクラスで笑顔になった
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