初恋
「でさ、集会前廊下で目が合ったんだよ。それもさ、クラスで移動しずに夢斗と手繋いで移動してる時でさ。クラスで移動は辛いのは分かるけど、手繋ぐか?多分夢斗が勝手に繋いだんだろうけど。で、最終攻撃は下校中でさ。俺がお前に相談しながら帰ってるときでさ、後ろから泣き声が聞こえてさ、振り返ったら歩道でしゃがみ込んでるじゃん?で、目が合ってさ。でも嫌われてるって思ったら行けなくて。泣き声聞こえなくなったと思ったらまさかまさかのキス中でして。しばらくして離れた後に2人がニコニコしてる訳よ」



「エグいなあ(笑)」



「だろ?それ見せつけられたらもう今まで何だったの?みたいな(笑)だからさ、前からお互い好きでさ、俺が片思いしてたって可能性が出て来る訳よ。なんか可哀想じゃね?俺(笑)必死に家に誘ったりさ、初詣で願ったりとか。そうしたらネックレス付けなかったって事にも繋がるじゃん?」



「まぁ…ってまじ?あげたのに付けてくれなかったんだ!」


「そうそう。今考えたら重過ぎたかなぁって(笑)多分手紙も2人で読んで笑って捨てたでしょうね!」



「うーん…何とも言えないよね。あれ?でも、メールとか毎晩してたんじゃないの?」



「アドレス消去か受信拒否されてるっぽい(笑)送れないんだよ、何回試しても。なんでだろうな、俺、あの子の事一番に考えてたつもりなんだけどなぁ…やべ、涙出てきた(笑)」



「あーもう(笑)よしよし、よく頑張ったね。泣くか笑うかどっちかにしなさいな」



「誰にも負けないくらいにさ、好きだったのにさ、夢斗に負けたのが悔しくて…コートの色が変わったとか、手袋ちゃんとしてるとか、あれは絶対苦笑いだとかちょっとした事に気付いてさ、こんなに好きなのに、いやぁもうさ、馬鹿だと思うかもしれないけど、あの子中心で俺の世界は動いてて、あの子が俺の事嫌いになってから、生き甲斐無くしてさ」



「確かに最近元気ないもんね」



「飯食えないもん。ばあちゃんに申し訳ないわ」



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