初恋
「おばあちゃんのご飯美味しいもんね」



「いらないよって言ってるのにさ、急にお腹が減るかもしれないでしょ!なんて言って毎日作ってくれるんだよ。…学校来るのも家帰るのも辛えよ」



「…とりあえず夢斗くんを呼び出してボコボコにしたらいいんじゃない?」



「何でだよ(笑)余計に嫌われるわ」



「そっか」




「でもさ、最近花優愛ちゃんに話かけられたんだよ」



「はぁ?じゃぁいいんじゃないの?」



「それがさぁ、無視しちゃってさあ。もうね、向こうの声も震えててさ。いやー、絶対これって私に関わらないでくださいパターンだよとか思ったもんね」



「そうとは限らないよ?」



「まぁそうだけど。俺にはそう思えたの。で、最近の花優愛ちゃん見たらご飯食べれてるみたいでね、あぁ、幸せなんだと思って」



「少し顔丸くなったもんね」



「それでも可愛いからいいんだよ!」



「可愛くないとは言ってないからムキにならないで(笑)…うん、で?」



「よく言うじゃん、好きな人の幸せを願うのも一つの愛情だって」



「そうだね」



「無理に足掻くより、その方がよくない?」



「うーん…難しい事だよね。いとことして頑張ってあげたいところなんだけど、残念ながら私はこれから委員会なの」



「タイミング悪過ぎ」



「生徒会長ですからね!しっかりしなきゃいけないのよ」



「はいはい、高校の為だろ?酒も煙草も吸ってるくせによく言うな(笑)」


「うるさいなー!じゃ、孤独下校頑張ってね(笑)」



< 206 / 238 >

この作品をシェア

pagetop