アイ・マイ・上司【完全版】
ただの憧れどころか、もう好きになっちゃったのに…――
ただ変わらぬ態度から、導き出されるのはひとつ。
課長がこんな私を好きだなんて、一切感じ取れナイ・・・
「今さら…、言ってもムリだよ…」
ツーと頬を伝う涙と後悔の念は、自身の胸をギュッと苦しめる。
大体、プライベートも知らない上司に告白出来る?
彼の冗談に嵌れば、惨めな結果しか残らないのよ?
「っ・・・」
書類を見続けてドライアイ状態なクセに、ジワリと潤み始めた厄介な瞳。
もし一線を越えてしまえば…、上司と部下では無くなる。
お酒の席での言葉では、一線を飛び越える勇気なんてナイ。
フラれると解ってて、今さら何を言えるの…?
「まーた、泣いてるのか」
「ッ…!?」
後方から突然聞こえた声に、思わず肩がビクッと跳ねた。
同時に、引き寄せられるように振り返ってしまう。