君だけしか映らない
「おいっ!荒川っ!!」



佐伯悠哉が笑美を呼び止める。

でも笑美はその声に足を止めることなくゲーセンを出た。




――――


「…はぁ」



(加藤くんは私のこと本当に嫌いなんだな…)



あれからゲーセンを出た笑美は自分の家の近くの公園にいた。


時間も時間で公園には誰もいなかった。


ブランコに腰掛けさっきまでのことを思い出す。



もともと佐伯悠哉たちとは関わりを持っちゃいけなかったんだ。


…いや、好きで関わってるわけじゃないけど…。


加藤の言葉はストレート過ぎる。

だから…余計に胸に突き刺さる。



< 80 / 261 >

この作品をシェア

pagetop