君だけしか映らない
「あの、もしよかったらなんだけど…今日の英語で私当たりそうなんだ。で、ちょっとわからない所があって…教えてもらってもいいかな?」



「あぁ、全然構わないよ」

「ありがとう、古賀くん」

笑顔で答えてくれる古賀に笑美はホッとした。



―――


「ここは関係代名詞になるんだよ。」


「そっかぁ。なるほど。」


勉強を教えてもらってるうちに、いつの間にか教室内が賑やかになってきた。



そして教室内がいっきにざわめいた。


「悠哉、おはよう〜」


クラス中の女子が佐伯悠哉が来ると騒ぎ出す。



(バカらしい…。毎日見てるんだからそんなにキャーキャー言うことないのに)

笑美は佐伯悠哉に目もくれることもなく、古賀の説明を聞き入った。



そんな様子を佐伯悠哉が睨み付けるように見ていたことなど笑美は知るよしもなかった。



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