君だけしか映らない
「な、何……?」



思わず笑美は佐伯悠哉から視線をそらす。



「今日はやけに早いんだな。」


「…早く目が覚めたから」

「ふ〜ん…。ところでお前って古賀と仲良かったっけ?」



(は…?何でここで古賀くんの名前が出てくるの!?)


「あまり話したことはないけど…。」


「その割にスゲー仲良さげに見えたけど?」


「ただ勉強を教えてもらっただけだよ…。」



なんでこんなにも突っかかって来るんだろう…?



「勉強…?そんなんいくらでもオレが教えてやる。」


その言葉に笑美は耳を疑った。



「…は?何言って…」


「古賀よりオレの方が成績いいし。」



そりゃ…佐伯悠哉は毎回学年1位だけど…



「いいよ…。」



佐伯悠哉に勉強を教えてもらうなんて絶対に嫌だ。一緒にいても落ち着かないだけだ。



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