君だけしか映らない
笑美の断りの言葉に佐伯悠哉の表情はいっきに不機嫌になる。



「……今日の昼休みもオレの昼飯買ってこい。で、屋上まで持ってこい。」


さらっと命令する。



「…………嫌。」



「は?お前に拒否権はねーよ」



「…佐伯くんは私のことからかって楽しい?」


「…お前何言って…」


「だって佐伯くんが私に話しかけたりする理由がわからない…。ただ面白がっているとしか…」


「そんなんじゃねーよ!!」


佐伯悠哉が大声をあげるものだから、みんなの視線がいっせいにこちらに向く。


一瞬、シーンとなった所で先生が教室に入ってきてHRが始まった。



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