恋愛温度、上昇中!

「紗織を酔わすのは至難の技よ、この人ザルだから」

祥子がおどけたように肩を竦めて笑う。

うん。お酒は弱くない。むしろぐっすり眠れるから好きだ。麻痺する感覚も、回る穏やかな波も嫌いじゃない。


あたしは青いカクテルを口に含んだ。


多分、黙々と飲んでるのはあたしと関谷。

不可解な胸のモヤモヤを早く忘れたくて、あたしはアルコールを口に運んだ。

新橋さんと祥子は会話を楽しむ様にお酒を飲む。時々、「紗織は無口なのよ、昔から」なんて、声が聞こえるけど。あたしが会話しなくても成り立つならそれでいい。絵になる二人は雰囲気も砕けてすごくいい感じだ。


ただ、



隣に座る、関谷の雰囲気は、このカクテルみたいに惑わす。綺麗なのに、麻痺する余韻。
無口なのに、心地いい。


微妙な距離。


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