恋愛温度、上昇中!

関谷が煙草の箱を持って席を立つ。

見上げれば、「なんだ」と低い声が返ってきた。

「ここで吸わないの?」
「ああ」

関谷が煙草の箱を指で弾く。禁煙じゃない筈だけど。あたしは首を傾げた。

「おまえ、煙草嫌いだろ」


関谷の言葉に驚く。


「嫌いな訳じゃないけど」


煙たいのが嫌なだけだ。と言おうとして、関谷の行動の意味に気付いた。

関谷はそんなあたしを一瞥しただけで構わず席を離れる。

あたしは、ただ何となく、その背中を眺めていた。均整の取れた背中は、後ろ姿だけで、多分、女の目を引くんじゃないかと思う。


無愛想で、俺様で、失礼な男。


それならそれで、そんな優しさ、見せないで欲しい。


< 168 / 418 >

この作品をシェア

pagetop