恋愛温度、上昇中!

関谷が見えなくなって、祥子が新橋さんのグラスに氷を入れながら、


「関谷さん、ってどんな人なの?」


と聞いた。自然と体に力が入る。新橋さんはうーん、と口の端だけ上げて髪を掻き上げた。


「社長子息であの容姿、実力主義者。不器用なんだけど器用な男、かな?お買い得物件だと思うよ?」


新橋さんが目を細める。

「口は悪いけどね」


と言った新橋さんに何となく関谷への愛を感じた。


「社長子息?」

「うん。ちなみに立花商事の社長は司の叔父にあたる人」


祥子が、漫画の設定みたい、とカラカラと声を上げる。確かに、出来過ぎだわ。

だから、会場で関谷に会った人はみんな一様に頭を下げていたのかもしれない。


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