恋愛温度、上昇中!
「本当、面倒くせ」
そんな声と押し殺した様な笑い声が聞こえてきたのはすぐ。
一体何なのか。
「おまえは可愛くない」
関谷の声で手に持つキーを落としそうになる。
「知ってるでしょ、面倒くさいなら構わないでよ」
振り返れば、関谷の瞳にぶつかって胸が疼いた。だって、関谷の瞳が、
「構いたくなるから面倒くせーんだよ」
困惑と、苛立ちを滲ませた、男、の瞳で。
「…な、にそれ」
言葉に詰まって関谷を見つめた。
「ま、いーわ。顔みたし。元気そうならそれでいい」
あっさりと、そういって「じゃあな」と背を向ける。