恋愛温度、上昇中!
「…なっ、なにすんの、よっ」
顔が熱い。ズレた眼鏡が生々しくて、ぶれる視界に関谷が笑った気がした。
「…おまえといると調子狂う」
僅かに目を細めて苦笑した顔が、悪戯な子供のようで、それなのに、一瞬で、悩殺されそうな色気を放って。
調子が狂うのは私の方だと叫びたくなる。
「じゃ、な」
立ち尽くす私に苦笑したまま、関谷はヒラヒラと手を振って車に乗り込んだ。
なんで、いつも勝手にキスするの、そう呟いた時には、関谷の車は見えなくなってしまった。