恋愛温度、上昇中!
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結局、私は無事にマンションまで送り届けられた。
垣間見た新橋さんの二面性は帰りの車の中ではいつも通り優しさと誠実さを纏っていたから、私だって夢だったんじゃないかと思う。噛まれた指先を見つめれば、微かに残る跡が夢なわけないでしょ、とあざ笑う。



「ああ?驚いたよね?基本的に僕、そんなに優しくないから」


新橋さんはそう言って笑った。

「素敵な性格ですね」


出来れば知りたくありませんでしたけど。


「それに、正直、司と高見さんは見てて焦れったいよ。さっさとどーにかなればいい」

あっさりと大胆な発言をする彼はもう嘘は纏ってないのか。私は是非仮面を被った新橋さんと会話をしたい。

「私と関谷は別にそんな関係じゃないです」


煽られて、少し感情的になったかもしれない。


「高見さんさぁ、鈍いのも程々にしないと失礼だよ?」


王子様、だなんてなんで思ったんだろう。この人ってば既に王様だ。


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