恋愛温度、上昇中!
何となく、そう、ほんとになんとなく、前に交差点で見かけた関谷に似た人はやっぱり関谷で、腕を絡ませた女性はこの人だ、と思った。何の根拠もないのに、確信している。
関谷は、彼女を見た後小さく息を漏らす。
「…待ってろって言っただろ」
こんな美人を前にしても素っ気なさすぎる低い無愛想な声に、こいつの美的感覚はどうなってると聞きたい。
「蓮井優菜です」
だけどそんな関谷を気にする事もなくニッコリ笑って、彼女は丁寧に頭を下げた。
「綺麗な方だと噂してたんですよ」
山都さんが、また柔和な笑みを漏らす。第一印象だったら、素敵な人と騙されるあの笑顔。まあ、本人は、意識してるのかしてないのか分からないけど。
「こんな綺麗な方が一緒なら、心配する事なかったな」
山都さんはサラリとそう言って、あたしに微笑んだ。