恋愛温度、上昇中!
…頭が痛い。お酒には弱くない。むしろ強い方だと思う。飲み負かされた事なんてないし、悪酔いだってしない。じゃあこのクルクル回る吐き気の様な感覚はなんなのか。
あたしは、ただ、目の前で起こる出来事に頭がついていかなくて、動揺してる、なんて見せないように、それだけで精一杯。
「高見さんと関谷さんは何でもないんだね。安心した」
爽やか嘘つき眼鏡男は、そんなあたしに構う事なく、優しい視線を向ける。
…安心?
不似合い過ぎる言葉は声にならなくて、山都さんの言葉にあたしはうつろな視線を思い切り取られてながら、一瞬、これ以上何の冗談を言い出す気ですか?と問い詰めてしまいそうになった。