恋愛温度、上昇中!
あたしは、さっきから黙りこくったまま、気の利いた会話もできなくて、どこか現実感のないままアルコールを黙々と口に運ぶ。
蓮井さんの、話す口調も、仕草も、目を奪われてしまう位可愛いくて、あたしは直視出来ないでいた。
だって、まるで違う。
掌で収まってしまいそうな小顔に、横に並ばなくて良かったと心底思う。
…馬鹿らしい。
あたしはあたしで、容姿の違いなんか、気にした事なんてないのに。
どうして、こうも、卑屈にならないといけないのか。
嫌だ、こんな自分。
あたしは、似合いすぎる関谷と蓮井さんから目を逸らさない様に、毅然と保てる様に、顔を上げる。
今ほど、自分が惨めだなんて思った事はない。
なにが、きっかけだったのか、なんて知らない。どこからが始まりなのか、なんて分からない。
明確な理由なんて必要ないけれど、
あたしがあたしでいられない、と感じるのは、こいつの傍にいる時だけなんだ、と何故今気付いたんだろう。