恋愛温度、上昇中!

席を立った瞬間にクラリとしたのは、やっぱりアルコールが回っているんだと思う。




「…山都さん、安心してもらうつもりは全くないですよ」





関谷が眉を僅かに上げて、酷く甘い言葉を吐く。
あたしはそれをまるで他人の様に眺めていて、全く掴めない状況に、心臓の音だけ、五月蝿い。

嫌だ、といつもの様に拒めばいいのに、この腕を振り解かない自分がよく分からない。
引きづられる様に、あたしは関谷に腕を引かれて、ゆっくりと扉に向かう。
おぼつかない足取りを気遣う様に腰に手を回した関谷をあたしは何故か拒まなかった。




扉を開けて、外の澄んだ空気がスゥとあたしの肌に当たって、何気なく振り向いた後ろで、蓮井さんが確かにあたしを見つめていた。


< 330 / 418 >

この作品をシェア

pagetop