恋愛温度、上昇中!



だけど――――




そんなに、素直になれる筈なんて、ない。




「…司さん?」



カツカツと足音が耳に届く頃には、あたしは関谷の腕から離れていて、



振り向いた背中に、目に映ったのは髪の長い綺麗な女の人。
その人の呼んだその名前が、ああ、関谷の名前だ。って、あたしはまだ落ち着かない頭で、ただそう思っていた。


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