恋愛温度、上昇中!

「何にもないけど」

予想外に祥子はあっさりとそう言った。

「ただね…」

やっぱりあるんじゃないと思ったけど面倒くさいから口に出さない。


「岡嶋…結婚するんだって」


祥子はポツリと言葉を落とす。


「岡嶋?」


誰だっけな…、数少ない友人の顔を頭に巡らすけど出てこない。


「彰俊よ」


祥子は溜め息をついて名前を放った。


…彰俊?


「え?あの彰俊?」


祥子は私の言葉にそれ以外誰がいるのよなんて顔をする。名字で呼んだりするから分からなかったじゃない。


私が知ってる、彰俊、といえば祥子の忠犬みたいに傍にいた男。


祥子はいつも逃げ回っているかあしらっていたけど。





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