恋愛温度、上昇中!

「斎藤さん、」

その名前は一番右端ショートカットの茶髪。

「なによ」

キッと睨む目つきは大して迫力もない。

「あなたの付きまとってる沖口先生、タバコ吸う女嫌いだそうよ」

私の言葉に、えっ!!と顔色を変える。『あんた沖口の事ムカつくって言ってたじゃん!!』と騒ぐ周り。隠れファンなのよねあんたは。だけど、先生の家で待ち伏せは良くないんじゃないかしら。先生、困ってたけど。


「それから、宮前さん、あなたそんな下品な言葉使いしてたらお父様に叱られるんじゃなくて?この間、様子を聞いてきたわよ。」


左端のボブの茶髪は社長の娘。そして私は社長と将棋仲間だ。宮前さんは顔を青くする。
親の前で真面目ぶる強かさがあるならその仮面、学校でも被ってれば良いのに。

社長は厳しいからね。甘え過ぎなのよあなた。



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