少年少女リアル
 ややあって、何か思いついたかのように、夏目さんは読んでいた本をぱたりと閉じた。
「そういえば」と口を開く。

「文化祭の出し物は何に決まったの?」

「あー、」

『ロミオとジュリエット』からスライドしてきたのか。
という事は、夏目さんのクラスはきっと前言っていたパロディーに決まったのだろう。単なる憶測に過ぎないけれど。

「執事喫茶」

そう。出し物はこの前のホームルームで決まった。と言うよりも、強引に丸め込まれたと言った方が正しい。

「何それ」

夏目さんは眉を歪めた。

「曾根君が『かしこまりました、お嬢様』とか言うんだ」

「さぁ。まだ役割分担決まってないし」

僕だって言いたくない。出来れば、調理班がいい。

「想像できない」

そんなに面白可笑しいのか、夏目さんは僕をちらちら見ては笑いを堪えている。何とも失礼な人だ。
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