少年少女リアル
「ここで役割分担だけ軽く決めちゃおうか」
トントン拍子で話を進めていく。まるで、どこかの営業マンだ。
「私と唯がメニュー考案で……」
誰も横槍を入れる事なく、さくさくと役割が決められていく。
「看板は奈央がいいよね、美術部だし」
と、向井さんに視線が向けられる。
彼女の下の名前が奈央だという事を今初めて知った。
思わず、視線がぶつかりそうになり、僕は慌てて平野さんへ戻した。
「男子は……うーん、衣裳でいっか」
「多くね」
「希望あるなら聞くけど」
希望と言われても、他に選択肢などない。
強いて選択肢を増やすならば、買い出し班くらいしか思い浮かばなかった。
こんな炎天下の中、好き好んで買い出しに行きたがる人なんているわけがない。
沈黙しているのを見て、決定という事で流されてしまった。