少年少女リアル
 任せるなんて言ったけれど、僕には結果は見えている。

「俺に客引きなんか出来るわけないだろうが」

「出来るって!」

「お前と違って俺は人見知りなの。それに、千暁と俺じゃ、ふてこいイメージしか与えらんねぇよ」

眉を見ていると、機嫌の行方が分かってくる。

佳月はそういう奴だ。

嫌なものは嫌。素直であり、良い意味でも悪い意味でも、自己中心的。誰に対してもそうだ。


「メンバーだって、せっかく遊びに来るのに、構ってやれないなんて可哀想だと思わないかね!」

負けじと冴木は同情を誘おうと粘る。

「そんなの、ステージ組んだ冴木が悪いんだろ」

しかし、結果は僕の見立てた通り。佳月の勝ちだ。頭の中でゴングが鳴った。

「うわぁん。王路の人でなし! 冷血!」

佳月は勝ち誇った顔で薄笑いを浮かべている。さっきまで不機嫌そうに冴木をあしらっていたくせに、今では痛くも痒くもない、といったところだ。

「掃除当番も席替えも、絶対に代わってやんないからな!」

「はいはい。何とでも言え」

拗ねる顔も、煽り文句も、まるで子供だ。
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