少年少女リアル
 確認してみると、歪んで見える、気が、しないでもない。確かに。
佳月が勝ち誇った顔をしている事は予想できた。だから、わざと見ない。

「そう?」

「おい、どう見ても歪んでるだろうが!」

「ねぇ、暇? 看板移動させるの手伝って」

平野さんに目を付けられ、佳月は視線を泳がせた。人の揚げ足ばっかり取っているから、天誅が下ったのだ。

「暇じゃない」

「それなら、暇じゃなくてもいいから手伝って」

めちゃくちゃだ。
佳月が眉を顰めようと、平野さんには効果なし。
尻を叩かれ、佳月は渋々腰を上げた。

良い気味だとほくそ笑んでいると、

「ほら、早く立って」

と、なぜか僕にまで火の粉が飛んで来た。
は?と目で訴えてみたものの、この人とは目での会話は成立しないらしい。いや、普通の会話でも時々無理を感じるほどで。

七面倒な雑用に腰が重くなる。振り返った佳月は腹が立つほど厭味ったらしく笑った。

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