少年少女リアル
 全校生徒へ宣伝するために、看板は校門から玄関までずらりと並べられる。今年も多分そうだ。

前回地獄を見たのを振り返り、今度は四人がかりで運んだ。二度もこんな雑事に巻き込まれるなんて、不幸だ。

「置く場所って、どうなってるんだ?」

ちらほらと各クラスの看板がすでに彩り鮮やかに並べられている。

「くじ引きじゃないの?」

「いちいち細かいな、うちの学校」

「生徒会長が女だからな」

「それ、関係ある?」

「知らね」

四人同時に額の汗を拭う。
九月になっても、気温はまだ夏だ。沈みかけでも太陽はギラギラしていて容赦ないし、空気は生温い。


「あそこに向井いるんじゃね」

指差す先に何人かの生徒が立っていて、その中には確かに向井さんがいた。

「聞いてきて」

どうして、僕が。

「佳月が行けよ」

文句を垂れようと、誰も立ち上がる様子はない。わざとらしく溜め息を吐いて、おそらく一番重いであろう腰を上げた。
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