俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

一人で帰るしかないのか…。まあいいけど…。


「なに、悠由。一人なわけ?」


会話を盗み聞きしていたらしい翔くんが、杏子の睨みをものともせず割り込んでくる。


「あんたに関係ないでしょ?」


ため息をつく杏子を徹底無視と決めているのか、あたしに詰め寄ってきた。


「俺と途中まで一緒じゃん。一緒帰ろーぜ」


「えっ?」


「ダメ」


「決定!」


……ええ?


「心配すんなって…。別になんもしねぇよ。なんでそんな警戒すんだよ?」


「今までしてきたこと忘れんじゃねーわよ」


「そんなにいっぱいしてないもんねー」


「したことは認めてんでしょうが!」


機関銃の撃ち合いのように、ぽんぽんと投げられる言葉達。

あたしはその言い合いについていけず、ただおろおろと見守った。


結局杏子が「指一本でも触られたらあたしに言うのよ?」と何度も念を押して、気になって仕方ないという風に部活へ行った。


「っしゃ勝った!!」


ガッツポーズをしている翔くんを見て、ただ杏子に勝ちたかっただけなんじゃなかろうかと思うのは、あたしの気のせいだろうか。


「さー帰ろう♪」


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