俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

ママが満面の笑みでリビングから顔を出す。

実は……ママには先輩のこと、あっさりバレてしまった。

ある日突然「彼氏とはどうなの?」って言われたのだ。

あまりにさらりと言うからつい、普通だよって答えてしまい…。


…ま、つまりハメられたってわけですな。


「あれ? 那智兄は?」


いつもなら絶対いるのに……今日はいない?


「ああ、珍しく講義全部出てるみたいよ」


「…………ええ!?」


どどどどうしたの那智兄ったら!

単位とりゃいーんだよ、とか言って午前中受けて帰ってくるような人が…!

まして一日中休むことすらある人が!

あたしの周り……サボり魔多いっ。


「その驚き方は失礼だとは思わねーのかよ」


「思わないよ。おかえり」


ちょうど那智兄も帰ってきて、玄関先に突っ立ったままのあたしをぺちんと叩いた。

珍しいものを見るようにじろじろ見回してしまう。


「あのな…。……ヒマだっただけだよったく」


…先輩もヒマだからっていって授業出ればいいのにな。

もし留年とかなったら……。

いやそれはそれでまた一緒だからいいっちゃいいけど…。

いやでもやっぱりそれはどうかと思うし…。


「うーむむむ……。なにかいい方法は…」


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