俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「んで」


持ってきてくれたぶどうジュースをごくごくっと飲むと、コップを静かに置いて(なぜか正座で)口を開く杏子。


「一から十まで話したまえ」


「あら。簡単な話よ? 今年同じクラスになって告白されたの」


そんだけかい!

まとめすぎでしょ!

一から十ってか一と十しか言ってなくない?


「あたしはー…静かで平穏無事な恋がしたいからね。悠由の言うとおり、優しくていい人よ❤」


静かで平穏無事な恋……。

わー。程遠いー。

すでに荒れまくりだしー。

今現在も絶賛大波中だしー。


「くーっムカつくぅ」


「おほほ! お一人で嘆いていなさいな!」


「なによーっ!」


高笑いって…なるほど。

なるほどね?


昨日の杏子の電話を思い出し、納得して頷いた。


「…写真かー」


そういえば……一枚もないな。


…先輩の盗撮写真。


「盗撮!?」


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