俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「どうする? 行く?」


雨が降るかもと危惧してか、美紅ちゃんがあたし達に問う。


「行こ行こ。傘持ってけば大丈夫でしょ」


「持ってないもんあたし」


「貸したげるわよ…悠由だけ」


「なにをーっ」


憤慨する杏子に、「うそうそ」と笑う美紅ちゃん。

やっぱ…仲いいのかな?

はたから見ると喧嘩ばっかでうっとうしい二人組みってかん…。


「うっとうしい!?」


「二人組みってあたしもなの!?」


…あ。


「…ま、まあそんなことより! 早く行こうね、ね!」


ぐっと親指を立て、ぎくしゃくとした動きで道へ出た。



「…あたしさー、美紅の話も聞きたかったけど、あんたのことも気になってんだけど」


「あ、あたしも今日聞こうと思ってたのよね」


「ぎくっ」


いやいや!

っわ、忘れようかそれ! ねっ?


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