契りの歌




山崎さんはまた天井へと戻っていった。


ここの真上から遠ざかっていくから、私の監視以外の仕事なんだろう。






「これで確かに全員だ。いいな」

「はい。」



「じゃあ、今度こそ本題に入るぞ。お前の役職についてな。」




役職‥。
何もしないでいるわけにもいかないし、他の隊士の人達にも説明つかないからか。





「それで土方さん。花音さんの役職は何なんですか?」



「ああ、食事や洗濯、主に家事だな。男装していれば1人で仕事していても大丈夫だろう。」




「いや…それがなぁ土方さん。」




言葉を濁しながら話し出したのは、永倉さんだった。





「なんだ、永倉。」



「実は今朝、平隊士達が、
"幹部の人達が、綺麗で不思議な格好をした女を連れてきた"って話してたのを聞いてな。だから、男だっ!って言っても信じる奴は少ないかもしれねぇな。」






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