エクスタシー~極上のオトコ!?~
はー――っ…。


溜め息が出た。


世の中は私の心情などにはお構いなく回っている。


焼きソバを買っておかないと、私をとりまく状況は更に悪化するだろう。


仕方なく買い物バッグを提げ、外へ出た。


この時間ならまだ近所のスーパーが開いている。


はー――っ…。


ぶらぶらと歩きながら、また溜め息をついていた。


深く息をつくたびに、泣きそうになる。


涙がこぼれないように夜空を見上げると、黄ばんだ和紙で作ったような満月が出ていた。


自分にとってノゾミさんという読者が、どれほど大きな存在だったかを思い知った。




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