エクスタシー~極上のオトコ!?~
ネットでの関係なんて、空気みたいなものだ。


バーチャルの世界なんだから、どんな人間だって演じられる。


そんなことは百も承知だ。


私だって、ブログの中の自分を美化していないとは言い切れない。


それなのに、彼女が……いや、彼が性別を偽っていたというだけで、こんなにも落ち込むなんて……。


通りの向こうから明るい声が聞こえてきた。


角のタバコ屋の辺りに、高校生らしい女の子たちが数人、たむろしている。


何となく彼女たちに近寄るのがためらわれた。


私は明るい街灯の下を避けて、暗い公園の中に入った。


少し遠回りになるけど、公園を横切って行こ……。




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