エクスタシー~極上のオトコ!?~
キイ……キイ……。


何かが軋むような音にハッとして遊具の方を見た。


背中を丸めた男の人が一人、ブランコに座っている。


疲れきっているような背中……。


まるで自分を見ているようだった。


たぶん、世の中には私とは比べものにならないような大きな悩みを抱えてる人もいるはず。


今さらそんな当たり前のことに気づいたりする。


力なくブランコを揺らす男性の邪魔をしないよう静かに歩いた。


それでも、やっぱり気になって、ブランコの方をチラリと見た。


どきり、と心臓が踊った。


エクスタシーだ。


ううわ。


私は更に足音を忍ばせ、出来るだけ彼から遠い所をそそくさと歩いた。




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