龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~

毎日、空から舞い散る雪が辺りを覆い、泉にも氷が張り詰める。



俺はひたすら…水底で雪解けの季節まで眠り続ける。


小さな少女から授かった優しさを懐に抱いて…冷めた心を暖める。


「!?」


俺の安眠を妨害する者が泉に身を沈めてきた。


汚れた魂。輪廻の輪から外れ、肉体が滅びようと永遠に彷徨える魂の持ち主。



この男は…人を殺め、夥しい血をわが身に浴びていた。



しかし…この男から…少女の匂いが漂う。この男は…少女の縁の者?


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