愛されなくても愛してる
それからママは
ぼくのホッペタを叩いた。
何度も何度も叩いた。
ぼくが大好きなママの手で
ぼくを何度も叩いた。
ぼくは泣いた。
痛くて泣いたんじゃない。
ぼくは
悲しかったんだ。
ママに[あんた]って
言われた事が。
ママに[かぁくん]って
呼んでもらえない事が。
新しいパパは
ずっとテレビを見てた。
ママがぼくを叩いても
ぼくがいっぱい泣いても
おかまいなしで
ずっとテレビを見ていた。
ママはぼくに言った。
「あんたが悪いんだからね。
あんたがうるさくするし
悪い事するから
叩かれるんだからね」
ママ…
ぼくがこれから
うるさくしなくて
悪い事もしなかったら
「かぁくん」って
呼んでくれる?
また ぼくを
抱っこしてくれる?